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投資・起業・副業・節約・法務を研究するブログ

トリセツ:AFP・経営法務コンサルタントが投資・起業・副業・節約・法務の情報を発信。発想のきっかけとなればうれしいです。

過払い金返還で有名なアディーレ法律事務所が「懲戒審査相当」 景表法違反

http://uxlayman.hatenablog.com/entry/2017/01/26/insentens

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「弁護士法人大手「アディーレ法律事務所」が懲戒処分」
 
不適切な宣伝を理由に消費者庁から行政処分を受けた、過払い金返還訴訟で有名な弁護士法人大手「アディーレ法律事務所」ですが、東京弁護士会等の綱紀委員会が、アディーレ法律事務所(法人)と代表の石丸幸人弁護士を「懲戒審査が相当」とする議決をしていたとのこと。
 
今後、各弁護士会の懲戒委員会が、懲戒の是非・懲戒内容を検討する予定。
 
 
「懲戒処分の理由は景表法違反!」
 
消費者庁が景品表示法違反(有利誤認)と判断した理由は、アディーレ法律事務所が行っていた宣伝手法が消費者に有利に当たると誤認させたというものです。
 
具体的には、
 
「過払い金返還請求の着手金を今から1カ月間、無料にする」
 
と期間限定キャンペーンのように宣伝しながら、実際は5年近く継続的に実施していたようです。
 
消費者庁は、同様の宣伝をしないように!とアディーレ法律事務所に措置命令を出しました。
 
この消費者庁の措置命令を受け、弁護士会へ懲戒請求があり、今回の議決に至ったようです。
 
アディーレ法律事務所は、過払い金返還請求で、かなり、儲けていたと思っていましたが、まさかの展開です。
 
 
「景表法とは?」
 
あまり馴染みのない法律ではないでしょうか!?
 
広告・表示に関する「法律」で、ビジネスマン・経営者は注意すべき法律です。
 
・消費者庁から抜粋
 
「景品表示法は、正式には、不当景品類及び不当表示防止法といいます。

消費者なら、誰もがより良い商品やサービスを求めます。
 
ところが、実際より良く見せかける表示が行われたり、過大な景品付き販売が行われると、それらにつられて消費者が実際には質の良くない商品やサービスを買ってしまい不利益を被るおそれがあります。

景品表示法は、商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、消費者のみなさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。」
 
 
「景表法の具体的な内容」
 
要点ですが、
 
①不当な表示の禁止
 
・商品・サービスの内容・条件についての広告・表示
 
②過大な景品類の提供の禁止
 
・商品・サービスの取引の際に提供される物品・金銭等の利益(景品・懸賞等)
 
 
「不当表示の禁止とは?!」
 
①優良誤認:実際よりも著しく優良と表示
      
      事実に反して競争業者よりも著しく優良と表示
 
これは弊社だけ! 日本では唯一弊社だけ!なども、違反になります。
 
②有利誤認:取引条件を実際よりも著しく有利と誤認される表示
 
      取引条件を競争業者者よりも著しく有利と誤認される表示
 
③その他誤認のおそれのある表示
 
〇月〇日までに申し込めば優遇金利です!と表示した住宅ローンが実際は、申し込み日ではなく、借入時期で金利が決定する。
 
期間限定特別価格で提供!と表示したが、通常価格だった。→アディーレパターン
 
調査をせず、地域最安値!
 
といった例は違反にあたります。
 
有名な不動産業の「おとり広告」(売却済・そもそも存在しない物件)を広告に掲載して集客する手段は、不当表示(違反)とされています。
 
 
ぼくのクライアントでも、
 
「〇〇名限定で残りは〇名ですよ!」(そもそも人数に限定なし)
 
「~〇/〇までは、キャンペーン価格で〇〇%OFF
 
(たまに、定価で販売するが、ほとんどがこの価格)
 
という販売方法・販促を行おうとしていたので、「景表法違反」ですよ!と指摘しておきました・・・
 
 
他にも、商品の値下げをして、元の価格との二重表記をする場合ですが、
 
例えば、「5,000(当店通常価格1万円の品)」と、値下げ後の価格にこれまでの販売価格を併記して表示する場合、
 
消費者庁のガイドラインでは、以下のとおり厳格な基準を提示しています。
 
「①二重価格表示を行う時点からさかのぼった8週間において、当該価格で販売されていた期間が、当該商品が販売されていた期間の過半を占め、
 
②当該価格での販売期間が通算で2週間以上であり、
 
③当該価格で販売された最後の日から2週間経過していなければ、当該価格は「最近相当期間にわたって販売していた価格」とみなされ、「当店通常価格」等と称して比較対照価格とすることができます。」
 
 
「懸賞にも規制あり!」
 
お客さんを呼ぶための「懸賞」ですが、規制があります。
 
定義:顧客を誘因する手段として取引に付随して提供する物品、金銭等の経済上の利益
 
難しめですが、以下の具体例を見た方がイメージが沸くでしょう。
 
 
①一般懸賞:取引価格5000円未満→最高額は取引価格の20倍まで
 
      取引価格5000円以上→最高額は10万円以内
 
総額は、この取引での総売上額の2%以内
 
※抽選権・じゃんけんに勝ったら・クイズに正解したら・〇〇競技で1位になったら
 
 
②共同懸賞:取引価格にかかわらず30万円
 
総額は、この取引での総売上額の3%以内
 
※共同で実施されるイベント・商店街の歳末セール・〇〇まつり
 
③総付景品:取引価格1000円未満→最高額は200
 
      取引価格1000円以上→最高額は取引価格の2/10
 
※購入者・来場者全員にプレゼント・先着〇名にプレゼント
 
「景表法違反の罰則は?」
 
刑事罰と課徴金制度があります。
 
刑事罰ですが、景品表示法違反により措置命令を受けた後、その措置命令に違反すると「2年以下の懲役又は300万円以下の罰金」になります。
 
懲役と罰金が併科(両方)される可能性もあります。
 
課徴金制度とは、行政処分です。
 
処分庁の判断で、「課徴金」を課すことが出来ます。
 
景品表示法違反として措置命令を受けた場合、原則として「課徴金」が科されることになります。
 
課徴金の金額ですが、不当表示の対象となった商品・サービスの売上額の3%の金額が課されることになります。
 
思った以上に、重い罰則ではないでしょうか?
 
 
「まとめ」
 
うっかりじがちな「広告」「表示」に関する法律ですが、最近の悪徳業者の事件が相次いでいることもあり、今後は、さらに厳格化されていくでしょう。
 
アディーレ法律事務所だけでなく、楽天やファミリーマートといった大手有名企業も景品表示法違反による摘発されています。
 
景品表示法違反行為をすると、刑事罰を科される可能性があります。
 
課徴金制度の導入により、景品表示法違反によって措置命令を受けると、原則として課徴金支払いを命じられてしまうことになります。
 
さらに、企業イメージ・信用が棄損することも必至です。
 
 
・「広告」「表示」「懸賞」も法律による規制がある
 
・違反すると「刑事罰」「課徴金」「イメージダウン」とダメージが大きい